RAWファイルに手を付けない理由
RAWファイルは、センサーのデータをカメラ自身が記録したものです。CR3、NEF、ARW、RAFなど、メーカーごとに独自の形式があり、その多くは仕様が公開されていません。そこに書き込むと、ほかのどのファイルにもないデータを損なうおそれがあります。
そのため、ほとんどのソフトはRAWファイルを読み取り専用として扱います。著作権情報、キーワード、編集内容を加えると、ソフトはそれを別の場所に書き込みます。独自のカタログか、XMPのサイドカーファイル、あるいはその両方です。
サイドカーとは
サイドカーは、XMPパケットを入れた小さなテキストファイルで、RAWファイルの隣に保存されます。AdobeのXMP仕様では、メタデータを持てないファイルにメタデータを添える方法として説明されています。
サイドカーは名前でRAWファイルと対応づけられます。Adobeの方式では拡張子を置き換えるので、DSC_0412.NEFにはDSC_0412.xmpが対応します。別の方式を使い、DSC_0412.NEF.xmpのように拡張子を付け足すプログラムもあります。ほとんどのソフトは自分の方式しか読まないので、使っているツールがどちらを前提にしているかを確認しましょう。
サイドカーには、権利に関するすべてのプロパティを入れられます:著作権表示(dc:rights)、作成者(dc:creator)、クレジット、使用条件、Web上の権利声明、著作権の状態です。
サイドカーはプレーンテキストなので、どのテキストエディタでも開いて、中身をそのまま確認できます。そのぶん中を調べるのは簡単ですが、手で編集すると壊しやすいので、編集はメタデータ用のソフトで行いましょう。
RAW自身のメタデータも有効
RAWファイルは、カメラが書き込んだ独自のEXIFを持っています。カメラのメニューで著作権を設定していれば、RAWのEXIFにそれが入っています。サイドカーがあってもそれは変わりません。
つまり、サイドカー付きのRAWには2つの情報源があることになります。カメラが© 2019 Old Studioと書き込み、サイドカーには© 2026 Jane Smithとあれば、読む側には矛盾した情報が見えます。あなたの情報が変わったらカメラの著作権設定も更新しておけば、新しい写真でこれが起きることはありません。
DNGは特別なケース
DNGは仕様が公開されているAdobeのRAW形式で、ファイルの中にXMPを持つことができます。DNGファイルにメタデータを直接書き込むソフトもあれば、DNGでもサイドカーを使うソフトもあります。DNGファイルを複数のプログラム間でやり取りするなら、それぞれがメタデータをどこにあると想定しているかを確認しましょう。
RAWファイルをDNGに変換すれば、写真1枚につき、メタデータを内蔵したファイル1つにまとめられます。ただしこれはトレードオフです。変換はワークフローの手順を1つ増やしますし、メーカーの編集ソフトの中には自社のRAW形式しか読めないものもあります。
サイドカーはRAWファイルと一緒に
サイドカーが機能するのは、対応する名前でRAWファイルの隣にある間だけです。サイドカーを失うよくある原因:
- ファイルの種類で絞り込んで、RAWファイルだけをコピーやバックアップする。
- サイドカーの名前を一緒に変えないツールで、RAWファイルの名前を変える。
- サイドカーを無視するサービスにRAWファイルをアップロードする。
RAW現像ソフトからJPEGを書き出すと、通常はサイドカーのメタデータが新しいファイルに埋め込まれます。書き出したJPEGを著作権チェッカーで確認し、著作権表示が引き継がれたことを確かめましょう。
同期サービスやバックアップツールは、除外しない限り、サイドカーもほかのファイルと同じようにコピーするのが一般的です。復元した後は、いくつかのRAWファイルをソフトで抜き取り確認し、メタデータも一緒に戻ったことを確かめましょう。
カメラで著作権を設定する
RAWファイルに著作権情報を入れるいちばん簡単な方法は、カメラに書き込ませることです。多くのレンズ交換式カメラには、メニューに著作権情報や作者名の設定があります。設定すると、カメラはRAWでもJPEGでも、すべてのコマのEXIFのArtistタグとCopyrightタグにあなたの名前を書き込みます。
注意点が2つあります。カメラは変更するまで、年も含めて同じテキストをすべての写真に書き込むので、著作権表示に年を入れているなら毎年1月に更新しましょう。また、カメラを貸したり売ったりする場合は先に設定を消しておかないと、次の持ち主の写真にあなたの名前が入ってしまいます。
カメラが扱うのはEXIFだけです。IPTCとXMPのフィールド、クレジット表記、Web上の権利声明は、引き続きソフトで入れる必要があり、RAWの場合はそれがサイドカーになります。
CopyrightedでのRAWの扱い
Copyrightedは、RAWやDNGファイルを書き込みのために開くことはありません。フォルダでは、RAWに埋め込まれたフィールドと隣にあるサイドカーを読み取り、ベース名で対応づけて、あなたの著作権情報をサイドカーに書き込みます。サイドカーがなければ作成します。バッチが成功を報告する前にサイドカーを読み戻して確認し、取り消せばサイドカーも元に戻ります。
写真ライブラリ内のRAW写真は、写真アプリにサイドカーがないため読み取り専用です。アプリはそれらを読み取ってグループ分けしますが、刻印はしません。
よくある質問
RAWファイルに直接著作権情報を書き込めますか?
書き込めるツールもありますが、RAW形式は独自仕様でほとんど公開されていないため、多くのツールは避けています。一般的なのは、RAWの隣にXMPサイドカーファイルを置くか、撮影前にカメラのメニューで著作権を設定する方法です。
XMPサイドカーファイルをなくすとどうなりますか?
サイドカーに入っていたメタデータは失われ、RAWファイルにはカメラが書き込んだ内容だけが残ります。サイドカーは、対応する名前でRAWファイルと同じフォルダに置き、バックアップにも含めましょう。
DNGファイルにはサイドカーが必要ですか?
必ずしも必要ではありません。DNGはファイルの中にXMPを持つことができ、そこに書き込むプログラムもあります。DNGでもサイドカーを使うプログラムもあるので、使っているツールが何を前提にしているか確認してください。