Getty Imagesのようなエージェンシー、ストックフォトのライブラリ、報道の写真デスクは、IPTCメタデータを使って仕事をしています。誰が撮った写真なのか、誰が権利を持つのか、どうクレジットすればよいのかを知るために、限られたIPTCフィールドを読み取ります。権利に関わるのは、作成者(Creator)、著作権表示(Copyright Notice)、クレジット表記(Credit Line)、提供元(Source)、使用条件(Rights Usage Terms)、そしてリンク用のWeb上の権利声明(Web Statement of Rights)です。どれも古いIPTC IIM形式とXMPの両方に存在し、エージェンシーのシステムはどちらを読むこともあります。エージェンシーに写真を提供する場合や、自分のファイルをプロらしく見せたい場合は、これらのフィールドを一貫した内容で埋めましょう。この記事では、各フィールドの意味、入れられる長さ、そして受け取った写真にエージェンシーの表示がどう入っていることが多いかを説明します。
フィールドをひとつずつ
IPTCは同じ情報を2通りの方法で保存できるようにしています。IPTC IIMは古いバイナリ形式で、2:116のように番号の付いたデータセットを使います。IPTC CoreスキーマはXMPに同じフィールドを保存し、dc:rightsのようなおなじみの名前が使われることもよくあります。写真ソフトは通常、両者の内容を揃えて保ちます。
作成者:Creator(IIM 2:80 By-line、XMP dc:creator)
写真を撮った人です。IPTCは、写真家の名前を出すべきでない場合には会社名を使ってもよいとしています。IIMではこのフィールドは32バイトまでで、複数の作成者のために繰り返し入れられます。EXIFにも独自のものとしてArtistタグ(0x013B)があります。作成者が著作権者だとは限りません。作成者と著作権者の違いをご覧ください。
著作権表示:Copyright Notice(IIM 2:116、XMP dc:rights)
現在の著作権者を示す表示で、© 2026 Jane Doeのような形です。IIMでは128バイトまで入ります。EXIFではCopyrightタグ(0x8298)が同じ役割を担います。詳しくはIPTCのCopyright Noticeをご覧ください。
クレジット表記:Credit Line(IIM 2:110 Credit、XMP photoshop:Credit)
写真が掲載されるときに、提供者が載せてほしいクレジットです。Jane Doe / Example Agencyのように、表示してほしいとおりに書きます。IIMでは32バイトまでなので、短くまとめましょう。クレジット表記(Credit Line)もご覧ください。
提供元:Source(IIM 2:115、XMP photoshop:Source)
供給経路の中の当事者で、エージェンシー、エージェンシーのメンバー、個人、またはその組み合わせです。ファイルがどこから来たのかを写真デスクに伝えるもので、クレジットされる人とは異なる場合があります。これもIIMでは32バイトまでです。
使用条件:Rights Usage Terms(XMP xmpRights:UsageTerms)
写真の使い方を説明する自由記述のテキストで、「報道・編集用途のみ」や「Example Magazineにライセンス供与、印刷、2026年」のように書きます。IIMには対応するフィールドがありません。
Web上の権利声明:Web Statement of Rights(XMP xmpRights:WebStatement)
写真の権利とライセンスについてのWebページへのリンクです。IIMには対応するフィールドがありません。両フィールドについてはWeb Statement of RightsとUsage Termsで解説しています。
著作権の状態:Copyright Status(XMP xmpRights:Marked)
フラグです。Trueは写真が著作権で保護されていること、Falseはパブリックドメインであることを示し、値がなければ状態は不明という意味になります。
Credit Line、Source、Copyright Noticeは3つの別々の答え
フリーランスの写真家の場合、この3つのフィールドには同じ名前が入ることが多いため、混同しやすくなります。しかし、答えている問いはそれぞれ違います。
- Copyright Notice:誰のものか?
- Credit Line:写真の横に何を載せるか?
- Source:誰が提供したか?
自分で撮って自分でライセンスする写真なら、3つとも自分の名前でかまいません。出版社の依頼で撮った写真なら、著作権表示は出版社、クレジット表記は自分と出版社、提供元は出版社のアーカイブ、ということもあります。何が正しいかを決めるのは、あなたが結んでいる契約です。メタデータはそれを記録するだけです。
受け取った写真に入っているエージェンシーの表示
ストックフォトのライブラリや通信社からライセンスを受けた写真を開くと、よくあるパターンが見つかることが多いでしょう。
- Credit Lineには写真家、エージェンシー、またはその両方が、多くはスラッシュで区切って入っている。
- Sourceにはエージェンシー、またはそのコレクションやパートナーの名前が入っている。
- Copyright Noticeには著作権者が入っている。エージェンシーの場合も写真家の場合もあり、年が添えられていることが多い。
- Creatorには写真家の名前が入っている。
- Usage Termsがある場合は、報道・編集用途のみといった制限が書かれている。
細部はエージェンシーによっても時期によっても異なるので、見分けるためのパターンとして捉え、毎回実際のフィールドを読んでください。出回っているファイルの中には、大文字と小文字の使い方が異なるプロパティ名など、変わった形で値を保存しているものもあり、読み落とすツールもあれば表示するツールもあります。2つのツールで結果が食い違ったら、各レイヤーの生データを確認しましょう。
受け取った写真に何が入っているかを見るには、無料の著作権チェッカーにドロップしてください。EXIF、IPTC、XMPをブラウザ内で読み取り、何もアップロードせず、レイヤー同士が一致しているかを教えてくれます。
他人の著作権表示はそのまま残す
ライセンスを受けた写真のメタデータは、その著作権者のものです。一括編集中のうっかりミスであっても、自分の著作権表示で上書きしてはいけません。表示をそのまま残しておけば、あとでレイアウト内の画像の出どころを調べる必要が出たときに、自分の助けにもなります。
エージェンシー向けに自分のファイルを準備する
- エージェンシーの投稿者向けガイドラインを読む。クレジット表記と著作権表示の正確な書き方はそこで決まります。
- 名前の表記をひとつに統一する。EXIF Artist、IPTC By-line、XMP
dc:creatorに同じ作成者名を入れます。 - 完全な著作権表示を書く。記号、年、著作権者をそろえ、たとえば
© 2026 Jane Doeとします。 - IIMの制限を意識する。Creator、Credit、Sourceは32バイト、著作権表示は128バイトまで。UTF-8では©記号が2バイトを使います。
- レイヤー同士を一致させる。EXIFとXMPで著作権者が違うファイルは矛盾しており、デスクに却下されたり、間違ったほうが選ばれたりすることがあります。
- 書き出したファイルを確認する。書き出しプリセットによってはフィールドが削除されます。アップロードする前に、完成したファイルを読み取って確かめましょう。
まとめて処理する
Copyrightedは、フォルダや写真ライブラリ全体でこれらのフィールドを読み取り、すべての写真を「Matches you」(あなたと一致)、「Third-party」(第三者)、「Blank」(空欄)、「Conflicting」(矛盾あり)に振り分けます。エージェンシーやほかの写真家の表示が入った写真はThird-partyに入るので、確認したうえで手を付けずにおけます。修正すべきはBlankとConflictingです。保存したプロファイルには著作権表示、作成者、クレジット表記、使用条件、Web上の権利声明のリンクが入っていて、「Apply」(適用)を1回押せば、画像を再エンコードせずにEXIF、IPTC、XMPへまとめて書き込めます。「Add missing」(不足分を追加)は空のフィールドだけを埋め、既存の値は決して変えません。どのバッチも「History」(履歴)から取り消せます。アプリはSourceを読み取って表示しますが、プロファイルでは書き込みません。このフィールドは通常、提供者が設定するものだからです。
チェックリスト
- 提供するすべてのファイルにCreator、Copyright Notice、Credit Lineを入れる。
- 必要に応じてUsage TermsとWeb Statement of Rightsのリンクを加える。
- 自分の作品ではCopyright Statusを「著作権あり」に設定する。
- クレジット表記と著作権表示は、エージェンシーの指定どおりに書く。
- IIMの値は32バイトまたは128バイト以内に収める。
- すべてのフィールドでEXIF、IPTC、XMPを一致させる。
- ライセンスを受けた写真の著作権表示は絶対に上書きしない。
- アップロード前に、書き出したファイルをチェッカーで確認する。